老後に備えて上手な資産形成をしよう!

お金を貯める

今や日本は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えていて、今後まだ伸び続けると期待されています。

こうした人生 100 年時代には、世の中も変化していきます。

2021年4月より、改正された「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)が施行され、65歳から70歳までの就業機会を確保するための措置を講ずる努力義務が課されることとなりました。

高年齢者が活躍できる環境整備が整ってきています。

こうした政策に対して、国民一人一人も、老後に向けた資産形成への取り組みを求められる時代です。

老後に備える資産形成について考えていきましょう。

 

1.積極的に老後に備える

人生の「三大資金」といわれる「教育」「住宅」「老後」にかかる費用は、どれも人生の大切なイベントであり、それだけ多額な資金を必要とします。

2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳(厚生労働省「簡易生命表(令和元年)」)と、平均寿命も伸び続け、今や100年以上生きる長寿化の時代「教育➡仕事➡引退」で人生は終わりません

引退後のいわゆる老後時代が長~くなったということは、その分生きていくための資金がどうしても必要になります。

基礎年金の支給開始である65歳から数えると、20年前後の老後資金を確保しなくてはいけないということになります。

それに伴い、金融庁などからも盛んに引退後の資産形成を推進する動きが活発になっています。

長生きを積極的にとらえ、豊かな老後のために資産を育んでいく方法を自分で見つけていきましょう。

 

2.資産形成ことはじめ

老後の資産形成はいつから始めたらよいでしょうか?

それは、何歳のあなたにとっても、「早いほど良い」のは確かです。

若い時であれば、ライフプランで描くゴールまで余裕を持った長期的運用が可能になるからです。

老後資金として実際に長期間にわたって資産を形成していく方法を具体的にみていきましょう。

ライフプラン」について、こちらで詳しく説明しています。

 

まず、考え方として初めに理解しておきたいことがあります。

今のような低金利時代では、預貯金だけで「お金を増やす=資産形成」は困難といえます。

そのため、長いセカンドライフには、何かしらの金融商品による貯蓄や投資が必要になると考えられます。

資産を形成するための金融商品には、「安全性」「流動性」「収益性」など、それぞれ性質を持っています。

「安全性」:元本が保証されている

➡元本割れを起こさない「安全性」の高い商品といえば、やはり預貯金です。

「流動性」:お金が必要となったときにすぐに引き出せる

➡少額でもすぐに引き出せる、中途解約ができるといった金融商品は「流動性」の高い商品といえます。

「収益性」:より高い収益が期待できる

➡利回りが良い、将来の値上がりが期待できるなど、高い収益が得られる商品は「収益性」の高い商品ということになります。

 

安全性が高く収益性の低い定期預金と対照に、投資信託は安全性は低いが収益性が高いといえます。

また、収益性が高く流動性は低い「債券」と、収益性が低いが流動性は高い「普通預金」も両立が難しい、といった関係になっています。

ここが金融商品の難しいところであり、損失を負う可能性のある理由です。

では、どうすればよいでしょうか。

損失の発生と拡大を防ぐ「リスクコントロール」によって、値動きのブレを抑えながら、安定した収益を獲得していくことに重点を置いて、運用することが大事です。

これと逆で、リスクを承知で資産運用を行うこと、つまり「リスク・テイク」によって、大きなリターンを得ようとするのは、老後資産形成のための長期的運用には向いていません。

 

3.リスクコントロールのすすめ

さきほど、預貯金だけでお金を増やすことは困難であるといいましたが、ある程度リスクコントロールしながら、預貯金以上にお金を増やすことが期待できる方法があります。

元本割れのリスクをゼロにすることはできませんが、「長期運用」「分散投資」「積立投資」の組み合わせにより、リスクコントロールをうまく機能させることができます。

①分散投資・長期運用の組み合わせ

ドルコスト平均法は、分散投資と長期運用をうまく組み合わせた定期定額の投資方法です。

価格が変動する金融商品を常に一定の金額で、かつ時間を分散して定期的に買い続けることで、価格が低いときの購入量は多くなり、価格が高いときの購入量は少なくなります。

これを長期的に継続、「長期運用」することで、平均購入単価を低く抑える効果が期待できます。

ドルコスト平均法イメージ (出典:金融庁 投資の基本)

ドルコスト平均法については、こちらでも詳しく説明しています。

また、投資対象をひとつにするのではなく、株式や債券、預貯金など複数の金融商品に分けたり、投資先の国や地域をバランスよく分ける、「分散投資」することで安定した取引が期待できます。

分散投資については、こちらで詳しく説明しています。

 

②長期運用・分散投資・積立投資の組み合わせ

長期の資産形成に適した商品として近年登場した「つみたてNISA(ニーサ)」と「iDeCo(イデコ)<個人型確定拠出年金>」は、長期運用・分散投資・積立投資を組み合わせたリスクコントロールばっちりの商品です。

2018年1月にスタートした「つみたてNISA」と、2017年1月に対象者が拡大された「iDeCo」の最大の魅力は、何といっても税率の優遇にあります。

つみたてNISAは、金融庁が「長期投資に向いた商品」として厳選した商品ばかりなので失敗しにくい設計になっています。

少額から始められる点が初心者にも安心で、国民の金融リテラシーを上げたい金融庁からのお墨付き商品ということもできます。

「つみたてNISA」と「iDeCo」の比較

つみたてNISA iDeCo
利用できる人 20歳以上の居住者 20歳以上60歳未満の居住者
投資可能期間 2037年まで 掛金の拠出は60歳まで
非課税期間 最長20年 運用期間を通じて非課税
非課税投資限度額 40万円/年 12,000~68,000円/月※
利用できる金融機関 銀行・証券会社 銀行・証券会社・保険会社
投資対象商品 一定の投資信託 定期預金・保険・投資信託
資産の払出し 制限なくいつでも可能 原則として60歳以降(途中で引き出しはできない)
最低投資金額 100円から(金融機関による) 5,000円から

  ※ 職業と利用している年金によって異なる

 

「つみたてNISA」「iDeCo」については、こちらで詳しく説明しています。

 

「これで初めてみたい!」と興味が湧いたものはありましたか?

「つみたてNISA」は100円から始められる点でハードルも低く、「iDeCo」共に長期投資としておすすめです。

まずは少額ではじめてみましょう。

 

参考:

知るぽると

金融庁ウェブサイト