学資保険は本当に必要?
なんとなく、子供が生まれたら学資保険に入った方が良いのかな?と考えている方はきっと多いですよね。
払い込んだお金よりも多く戻ってくるのなら、お金の掛かる教育資金用の貯蓄としてはメリットが大きいと感じます。
しかし、学資保険にはデメリットも多くあり、必ずしも必要な保険とは言い難いのです。
今回は、学資保険は本当に必要なのかについて解説していきます。
子供に掛かる費用について知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
目次
1.学資保険とは?
学資保険とは、子供の教育資金を準備するための「貯蓄型」の保険のことを言います。
子供が生まれてから約18年間ほど積み立て、高校や大学などの入学資金や学費が必要になる頃に、受け取れる保険です。
特徴としては、親が死亡した場合、それ以降の保険料の支払いが不要となります。
2.学資保険は不要
不要なの!?と驚かれた人もいるかもしれませんね。
「貯金よりも増えるし、子供が増えたら学資保険に入った方が良いに決まってる!」「これから解約したら損でしょ!」
このような声が聞こえてきそうですね。
学資保険が不要な理由は、次の通りです。
①元本が保証されていない
保険は必ずしも元本は保証されていません。
なぜなら、保険会社は倒産する可能性があるからです。
実際に倒産した場合、返してくれるお金は減ってしまう可能性が高いのです。
学資保険は、基本的に約18年間という長期の積み立てのため、18年後に保険会社がそのまま存在しているかは、わからないのです。
保険会社が倒産した場合の責任準備金は、満期分の保険金よりも少ない可能性が高く、返ってくるお金が減る可能性もあることは知っておきましょう。
②途中解約は元本割れする
保険を途中で解約した場合、返ってくるお金は払った分よりも少なくなります。
約18年間という長期になると、様々な理由で途中解約をする人もいます。
18年間資金が拘束されるのがデメリットになる場合もあるので、注意が必要です。
③満期時に元本割れするケースがある
学資保険は、積み立てた分は満期になれば絶対に戻ってくると思っている方も多いですよね。
しかし、中には満期時に元本割れしてしまったケースがあり、実際に裁判で争っていた事例もあるのです。
長期的な低金利の時代によって、保険会社が資金の運用を計画通りにできない場合や、学資保険自体に色んなオプションを付加しすぎてしまうことによって、元本割れが起こると言われています。
④利回りが低い
学資保険に入っていれば、受け取り時に少しでも増えているから良いと思っている方もいるでしょう。
しかし、学資保険の中身は、高い手数料の投資信託と同じです。
学資保険と預金の利回りを比べてみましょう。
- 普通預金・・・0.01~0.1%
- 定期預金(5年)・・・0.1~0.3%
- 学資保険・・・マイナス~0.48%
保険会社では、学資保険のパンフレットに年利ではなく返礼率を載せています。
*返礼率とは、払い込んだ保険料に対して、戻ってくるお金の割合のことを言います。
そのため、「返礼率106%」と載っていると、一見お得な感じがしますよね。
しかし、これは18年間で計算したもの。
年利に計算しなおすと、0.4%程になったりするのです。
0.4%程度ならば、わざわざ学資保険に入って高い手数料を払わずとも、定期預金で良いですよね。
3.学資保険よりも自分で運用しよう
子供ができた=学資保険と考える方は多いと思いますが、そんなことはありません。
学資保険に入らなくても、教育資金を貯めるための方法は他にもあります。
例えば、子供が生まれてから18年間、毎月1.3万円ずつ積み立てるとします。
- 学資保険だと・・・281万円払って300万円受け取り(19万円増える)
- 利回り6%で自身で運用したら・・・281万円払って503万円受け取り(222万円増える)
もちろん、運用にはリスクはありますが、学資保険の低い利回りを考えると、自身で運用する方が資金を増やせる方法と言えます。
4.まとめ
学資保険について解説してきました。
【学資保険が不要な理由】
- 元本が安全でない
- 途中解約は元本割れする
- 満期時に元本割れするリスクがある
- 低利回り
学資保険の返礼率を見ると、満期時にはプラスになるものが多いですが、年利換算すると実際は銀行の定期預金程度です。
元本割れ等のリスクを考えるとリターンが低く、それならば他の投資の方が良いかもしれませんね。