退職後に行う手続きについて
退職後は、失業給付や再就職支援を受けるために、ハローワークを利用する方が多いですよね。
手続きのために、離職票が届くのを待っているだけではなく、その前にできる手続きもあることを、ご存じですか?
何度も役所に足を運ぶことのないよう、手続きを効率よく行うためにできる事前準備は大切です。
今回は、退職後ハローワークへ行く前にできる準備や注意点について解説していきます。
失業給付について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
目次
1.離職票が届く前にできる手続き
退職後、ハローワークに行く前にできる準備には、以下のものがあります。
①健康保険の切り替え手続き
退職後の健康保険の加入には、以下の3つの選択肢から、自身で選ぶことになります。
- 国民健康保険
- 任意継続制度
- 家族の扶養に入る
退職日の翌日から、前職の保険証は使用できなくなるので、忘れずに手続きを行いましょう。
国民健康保険
国民健康保険に加入する場合は、退職日の翌日から14日以内に手続きを行う必要があります。
もし期限を過ぎてしまったとしても加入はできますが、手続きの工程が増えてしまうので、できるだけ間に合うように予定しておくと良いでしょう。
【手続きに必要なもの】
- マイナンバーカード
- 健康保険資格喪失証明書
扶養家族がいない場合は、退職証明書や離職票でも可能です。
健康保険資格喪失証明書は、離職票よりも先に会社から郵送されてきます。
もし手元にない場合は、年金事務所や健康保険組合で取り寄せをすることも可能です。
国民健康保険は、以下のような人が加入すると良いでしょう。
- 1年以内に再就職しない人
- 会社都合退職の人
- 平均的な年収だった人
- 単身世帯の人
任意継続保険
任意継続保険に加入する場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きを行うことになります。
国民健康保険の手続きと違い、期限を過ぎてしまうと、保険組合が「正当な理由」と認めた場合以外は申請ができなくなってしまうので注意が必要です。
申請書類(任意継続被保険者資格取得申出書)は、在職時に会社でもらっておくことができます。
健康保険組合のホームページからダウンロードすることも可能なので、チェックしておきましょう。
任意継続保険は、以下のような人が加入すると良いでしょう。
- すぐに再就職する人
- 自己都合退職の人
- 家族を扶養に入れたい人
②国民年金への加入手続き
退職後は、国民年金への加入手続きを行うことになります。
退職日の翌日から14日以内に手続きが必要です。
【手続きに必要なもの】
- 年金手帳
- 身分証明書
- 離職票
- 健康保険資格喪失証明書
- 退職証明書
ちなみに、退職を理由とした減免や猶予申請をしたい場合は、離職票または雇用保険受給資格者証が必要になります。
2.離職票が届いたら退職理由を確認
会社から離職票が届いたら、まずは離職理由の欄を確認しましょう。
離職理由によって失業給付の条件や、支給日数、支給開始日などが異なります。
同じ「自己都合退職」でも、内容によっては受給内容が手厚いものになることもあるので確認をしましょう。
①長時間残業が理由の退職の場合
在職時の残業時間が以下の条件に当てはまる場合、「自己都合退職」であっても「会社都合退職」とすることができます。(特定受給離職者)
- 連続する3か月以上で月45時間以上の残業をした
- 連続する2か月から6か月を平均して、1か月で80時間を超える残業をした
- 1か月において100時間以上の残業をした
ただし、「会社都合退職」になる条件には、以下のような注意点があります。
- 残業時間は退職する直前の6か月までの計算
- 残業した期間は連続していること
- 就業規則等によっては例外もある
もし、会社が明記した離職理由に異議がある場合は、ハローワークでの受給手続きの際に申し出る必要があります。
ハローワークが事実関係を調査した上で、最終的な判定をすることになります。
その際、残業時間がわかる勤務表や退職前6か月分のタイムカードのコピーなどがあれば、事前に準備をしておきましょう。
②病気やケガが理由の退職の場合
病気やケガが理由で退職した場合、離職票の退職理由が「自己都合退職」となっていても、正当な理由のある自己都合退職と認められれば、手厚い支援を受けることができます。(特定理由離職者)
この際も、手続きには正式な証明書の提出をすることになります。
各自治体によって必要なものが異なるので、事前にハローワークに確認をしておきましょう。
3.求職申し込み書は事前に準備しておく
退職の時期によっては、ハローワークがとても混みあったり、このご時世なので、なるべく長い時間居たくないという方もいると思います。
手続きを効率よく進めるためには、事前に求職申込書の仮登録をしておくのがおすすめです。
初回のハローワークでは、総合受付で手続きを必要書類を提出後、以下のような求職申込書の記入をします。
引用元:ハローワーク利用案内
こちらは記入する項目が多く、学歴や今までの仕事内容についてなど、思い出しながら書いていくことになるので、すべて記入するまでに時間が掛かるのです。
求職申込書は、事前に自宅のパソコンで済ませておくことができます。
そうすれば、初回のハローワーク訪問時に、求職申込書を記入した状態からスタートできるのでスムーズに手続きを行うことができます。
求職申込書の仮登録は、ハローワークインターネットサービスで行うことが可能です。
また、このインターネットサービスは、求職申込書のダウンロードをすることもできるので、事前に下書きを作っておくのも良いでしょう。
4.まとめ
退職後に行う手続きについて解説してきました。
【離職票が届く前にできる手続き】
- 健康保険の切り替え手続き
- 国民年金の加入手続き
離職理由によっては、失業給付を早く受け取れたり、手厚い手当が受けられることもあるので、事実と異なっていないかの確認をしましょう。
ハローワークは、時期によっては常に込み合っていることも多く、手続きには長い時間が掛かります。
事前に求職申込みの仮登録を済ませておくことで、スムーズな手続きができるのでチェックしておくと良いでしょう。