【2021年5月版】携帯会社の正しい選び方、キャリアごとの違い
携帯電話料金改革が急速に進み、スマホの選択肢が拡大しました。
2015年5月「SIMロック解除義務化」、2019年10月「長期契約の縛りと違約金の緩和」、そして2021年4月からは「携帯電話番号ポータビリティ(MNP)転出手数料の無料化」など、多くの改正が行われました。
これにより、キャリア移動のハードルがぐっと下がり、サブブランドやMVNOの新料金プランが発表されたことで、格安スマホへ流れるユーザーが増えています。
安くなったはいいけれど、たくさんありすぎて実際のところどれにしたら良いのかわからない!
ということで、今、携帯電話を選ぶならどこか?自分に合ったスマホの正しい選び方について解説していきます。
今回書かせて頂くのは
2021年5月時点での情報となります。
スマホ業界は数ヶ月経つと料金やプランが変わることが多いので
常に最新の情報を入手することが重要です。
目次
1.スマホの今(2021年5月時点)
最初に少しスマホ環境の現状について説明しましょう。
MNO(Mobile Network Operator)は、「移動体通信事業者」のことで、いわゆる携帯電話キャリアと呼ばれます。
自主モバイル回線を所有している「ドコモ」「au」「ソフトバンク」の3社が3大キャリアといわれます。
MNOに対して、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)は、「仮想移動体通信事業者」を指します。
これらはつまり、MNOからネットワーク設備を借りて運営している通信サービスのことで、まとめて「格安SIM」ともいわれます。
その他のMVNO同様、3大キャリアの通信網を借用していた楽天モバイルが、2020年4月から、自主回線サービスを開始し、第4のキャリアとして注目されました。
低価格帯スマホが増えてきた今、最適な選択をすることで、毎月の通信費が大幅に削減できます。
このままではもったいない!携帯電話の正しい選び方について解説します。
スマホブランドを系列毎にまとめました。スマホ選びの参考にしてください。
2.携帯選びのポイント
「自分に合ったスペックで、最も低コストな携帯(料金プラン)を選択する」ための検索条件をみていきましょう。
①データ通信量、②通話、③通信速度・通信エリア、④月額基本料金の4項目について確認していきます。
①データ通信量
一月どのぐらいの高速通信データが必要でしょうか。
検索条件①「必要なデータ通信量は何GB?」 |
メール、LINE、ネット閲覧、SNSのやり取り、ちょっとした動画といった一般的な利用の場合、1日で100MB~ほどの消費になり、1カ月5GB前後と概算できます。
メールチェック、LINEなどの連絡程度の利用 | ~1GB |
SNS、アプリゲーム、動画視聴などの日常的利用 | 3GB~7GB |
重いアプリ、高画質動画視聴、オンラインゲームなどの利用 | 10GB以上 |
しかし、これはあくまで一般論なので、利用履歴や利用明細を確認して、1ヶ月の必要量を把握しましょう。
例えば、ソフトバンクの場合「My SoftBank」アプリから、データ通信量や料金の推移などを確認することができます。
1ヶ月に必要な容量からプランを探していきますが、データ容量でみると、スマホブランドは大まかにこのような棲み分けになっています。
メインブランドは、家族向けフルサポートの「無制限・使い放題プラン」
サブブランドは、単身者向け「小・中容量(3G・15G・25G)プラン」
オンライン専用ブランドは、MVNO寄りの低料金「20Gワンプラン」
MVNOは、低料金でアレンジ自在な「自由形プラン」
また、Rakuten UN-LIMIT VIは、無制限のワンプランながら、使った分だけ支払う新形態をとっていて、どの層にも対応しているといえます。
UQmobileは、余ったデータを翌月に繰り越すことができる新プランを発表し、話題になりました。
UQmobileの「くりこしプラン」はこちらで詳しく説明しています。
格安SIMには早期からデータのくりこしができるプランが多数あり、追加データ料金が高額に設定されていることも多いため、少し余裕のあるデータプランを選ぶのが正解です。
正しいスマホ選びの最初は、データ量から選択肢を絞り込みましょう。
②通話
I.音声通話
検索条件②-I「音声通話は必要?」 |
090、080、070で始まる電話番号を使って通話することを音声通話といいます。
音声通話による国内通話料は通話従量制で22円/30秒が基本であり、通話頻度が少ない場合は、従量プランで問題ないでしょう。
仕事等で通話が多い場合は、通話頻度に合わせ、かけ放題オプションを追加で申し込んだ方が通話料が安くなります。
また、格安SIMには大きく分けて「音声通話付きプラン」と「データ通信専用プラン」の2種類のプランが存在し、データ通信専用の方がかなり安く設定されています。
“連絡はすべてLINEで行い一切通話しない“派や、サブスマホ用にデータ通信専用プランがあるように、携帯「電話」といっても、スマホを持つメイン理由は「通話」以外になってきています。
音声通話を必要とするかしないかで、大きく選択肢の分かれるところです。
電話をする場合も、LINE電話に代表される「IP電話」を使用することが多いのではないでしょうか。
音声通話の必要性は低くなってきているのが現状で、
「あったほうが安心だけど、ほとんど使わない」
という程度であれば、料金節約のこの機会に音声通話なしの選択も考えてみましょう。
IP電話はインターネット回線を利用したデータ通信で行われるため、いくら話しても通話料金は0円です。
ただし、デメリットとして、119番、110番、フリーダイヤル0120などの特殊な番号へ発信できない場合がある、音声通話に比べて、通話音声の質がネットワークの調子に依存するため不安定であることが挙げられます。
IP電話の利用で注目なのは、LINEMOです。
通常、LINEトークや通話などの利用には、データ通信が発生しますが、LINEアプリのデータ通信量はプラン容量の20GBに入らず、使い放題になっています。
つまり、LINEMO なら、通話もデータ通信も無料!になるというお得なプランです。
II.通話量
検索条件②-II「必要な通話時間は何分?」 |
やはり音声通話が必要だと判断した場合、必要な通話時間を確認しましょう。
通話料金は基本的に22円/30秒ですが、mineoでんわ(10円/30秒)、OCNでんわ(通話料11円/30秒)、イオンでんわ(11円/30秒)など、独自のアプリならではの通話料金になっています。
いずれも、日常的に通話を多く利用する場合は、通話頻度によって国内通話かけ放題(5分・10分・無制限)などのオプションをつけることで通話料金を抑えることができます。
③通信エリア・通信速度
I.通信エリア
検索条件③-I「移動範囲での通信電波状況」 |
通信回線は5Gの時代に入りました。
第5世代移動通信システム「5G」は、4G/LTEより高速・大容量化を叶えるものですが、対応の機種・エリアはまだ一部に限られ、一般的とはいえません。
auの5Gエリアについての説明 au 5Gは、2020年3月26日より、限られた一部の対象エリアからサービスの提供を開始し、順次拡大する予定です。(5G対応機種は、5Gエリアに加えて4G LTEエリアでもご利用いただけます。なお、5G提供エリアは当初限定的なため、4GLTEのご利用が中心となります。事前にau 5Gの対象エリアを十分にご確認の上、ご契約ください。) |
出典:au
つまり、現在の主流は4G/LTE回線ということになります。
LTEは正確には3.9Gなのですが、「4G/LTE」とまとめて表されます。
WiMAXも同じ3.9Gのひとつですが、LTEとは別の規格です。
使用しているモバイル回線によって、日本全国で電波が届く・届かないには思いの外違いがあるものです。
NTTの格安SIMである OCN モバイル ONEはドコモと同じ通信エリアであるため、全国でも安定した通信速度を保っているといったように、MVNOはどのキャリアの回線を利用しているかということも一つの目安になります。
4Gにしろ、5Gにしろ、提供しているサービスエリアは、機種と利用地域によって異なるため、各サイトから必ず事前に調べておきましょう。
II.通信速度
検索条件③-II「求める通信速度を満たしているか?」 |
「1.スマホの今」で説明した通り、MVNOは、ドコモ・au・ソフトバンクの通信回線の一部を借りています。
これにより、低料金でサービスを提供できているわけですが、その反面、借りている容量のキャパ如何で、利用が混み合う時間帯や地域、人数による通信渋滞が起こりやすくなります。
これが、MVNOの通信不安の原因です。
格安SIMに切り替えた途端、通信速度でイライラする毎日は避けたいものです。
その点、サブブランドのUQmobileとY!Mobileはそれぞれ、au、ソフトバンクの通信回線をそのまま利用しているので、通信状態に関してはキャリアと同程度の安定性があるといわれます。
テレワークが増えた今、Zoomの推奨通信速度は1.5Mbpsといわれ、一つの目安になるでしょう。
MVNOに切り替える場合は、格安SIMの速度比較を行っているサイトや口コミ情報を検索して、通信速度について調べてみることをおすすめします。
④月額料金
①「必要なデータ通信量は何GB?」②-I「音声通話は必要?」②-II「必要な通話時間は何分?」
③-I「移動範囲で通信電波良好?」③-II「求める通信速度を満たしているか?」
これらの検索条件から候補がいくつか出てきたところで、1ヶ月に支払う料金を算出していきます。
①データ通信量で決めたデータ容量から、プランの月額料金がわかります。
この基本料金から各種割引やキャンペーン価格を差し引いた金額が毎月の支払額になります。
3大キャリアは、家族回線・自宅のインターネットサービス・自社カード払い等の契約で割引が適用されることを前提にしたような月額料金の組み方になっています。
もちろん、割引無しでも申し込めますが、文句なく最も高い料金設定ということになります。
Y!Mobileは、家のネットとワイモバのセット利用で割引に、mioフォンとmioひかりとまとめて契約することでmio割が適用される、等のセット割引で、スマホだけでなく家のネット通信費もお得になったります。
このようなセット割引は、ずーっと割引になるので是非利用したいところです。
他にも、学割、年齢割、端末とのセット割、キャッシュバックやデータ増量など、様々な割引キャンペーンが目白押しなので、割引・キャンペーンのページは要チェックです。
注意したいのは、格安SIMに乗り換えたことで、それまでの大手キャリアの家族割引から外れてしまい、残った家族分の料金が上がってしまったなどの失敗談も聞かれるので、現在の契約との兼ね合いをしっかり考慮しましょう。
自分にぴったりのスマホ候補が見つかったら、必ず公式ホームページで契約内容を確認してから申込に進んでください。
3.乗り換えに際して
多くの場合、新規購入ではなく、今のスマホから乗り換えることになります。
乗り換え手続きの前に、新しいスマホへのデータ移行がスムーズにできるよう、アカウント情報の確認(Googleアカウント、Apple ID、アプリなど)や、バックアップを行っておきましょう。
次に、乗り換えの手順について説明します。
(1)SIMロック解除をする
手持ちの端末を使うなら、「動作確認済み端末」と「SIMロック解除」の確認を忘れずに行いましょう。
動作確認が取れたら、現在の契約先(公式HPユーザーページ・店頭)でSIMロック解除を行います。
Webサイトからは無料で解除できますが、ショップ(店頭)での手続きは、税込3,300円の事務手数料がかかる場合があります。
SIMロック解除については、こちらでも説明しています。
また、その端末に対応のSIMサイズ(nanoSIM・microSIM・標準SIMの3種類)も同様にチェックします。
ちなみに、今使っているキャリアと同じ回線の格安SIMなら、一部を除きSIM解除しなくてもそのまま使えます。
現在、ドコモ回線を利用している格安SIMが多いため、ドコモからの乗り換えは選択肢も多いということになります。
また、3社の中から好きな回線を選べる格安SIMもあります。
ドコモ回線を使用 ➡ BIGLOBE、y.u mobile、mineoなど
au回線を使用 ➡ mineo、IIJmio、イオンモバイルなど
ソフトバンク回線を使用 ➡ HISモバイル、nuroモバイル、U-mobileなど
(2)MNP予約番号を取得する
今の電話番号そのままで他社に乗り換えることができるサービスをMNP(携帯電話番号ポータビリティ)といいます。
MNPを行うためには、転入手続きの際に必要になるMNP予約番号(10桁の数字)を取得しなければいけません。
MNP予約番号の取得は、現在契約しているスマホのユーザー専用Webページ、ショップ、電話での受付窓口で行うことができますが、電話での手続きが簡潔でおすすめです。
また、格安SIMに乗り換える時は、不通期間が発生しないよう「即日MNP」ができるMVNOを選びましょう。
(3)乗り換え先の携帯電話会社に申し込む(転入手続き(新規契約))
MNP予約番号が取得できたら、乗り換え先へ申し込みましょう。
申し込みには、大まかに①~④が必要になるので、準備をして申し込み手続きを行います。
①MNP予約番号(これで新しいスマホでもこれまでと同じ電話番号が使えるようになります)
②契約者の本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカードなど)
③月額料金の支払い手続きに必要なもの(クレジットカード、銀行口座情報)
④印鑑(不要のところ、サインでOKのところあり)
店頭契約の場合、乗り換えの手続き自体は、数時間~1日で終わります。
Web申し込みの場合、通常数日~1週間ほどでSIMカード、セット購入したスマホが届きます。
届いたら、SIMカードの差し替え➡開通手続き➡初期設定を行い、利用開始となります。
開通手続きをしてはじめて、新しく契約した携帯電話会社へ回線が切り替わります。
回線が切り替わると、前の携帯電話会社は自動的に解約される仕組みになっています。
4.今後の展開
喜ばしいことに、菅政権の要求に応じた形で、日本の携帯料金はこの数年で急速に値下がりしました。
総務省から発表された調査によると、世界6都市で携帯電話の利用料金の安さを比べた結果、東京は2021年3月時点でロンドンに次ぎ2番目に安くなったということです。
最近では、SIMカードの差し替えが不要で、オンライン上の手続きだけで乗り換えが可能なeSIM(Embedded SIM(組み込み型のSIM))の普及も進んでいます。
乗り換えがさらにスピーディーになり、格安SIMのシェアは益々拡大していくことでしょう。
こちらの記事を参考に、自分にぴったりのスマホを見つけ、快適なスマホ生活を手に入れてください。