金融トラブルに巻き込まれやすい都道府県!?高知県がなぜ一位?

金融トラブルには巻き込まれたくない!きっとだれもがそう思われているでしょう。

巻き込まれないためには「金融リテラシー」を身につけることが大切です!

お金に関する正しい知識や判断力は自分だけではなく、家族や周りの大切な人を守ることにも繋がります。

今回は金融リテラシーの調査結果をもとに、金融トラブルの経験者が多い県1位〜3位までを解説しようと思います。

1. 金融リテラシーとは?

リテラシー(Literacy)とは読み解く能力という意味です。

金融リテラシーは金融に関する知識や情報を正しく理解し、主体的に判断することができる能力のことです。

この金融リテラシーを向上させることによって、トラブルに巻き込まれないというだけではなく、一人ひとりが経済的に自立しより良い暮らしができるようになります。

2. 都道府県別:金融トラブルに巻き込まれた人の割合

2019年の金融広報中央委員会が発表した「金融リテラシー調査」の結果では、金融トラブルに巻き込まれたことがあると回答した人が高知県(11.3%)で最も多かったです。

順に佐賀県(10.1%)、沖縄県)10.0%)と続きました。

【金融トラブルに巻き込まれたことがあると回答した人の割合:都道府県別】

順位 都道府県 割合
1 高知県 11.3%
2 佐賀県 10.1%
3 沖縄県 10.0%

参照:金融リテラシー調査 2019年

なぜこの3県で金融トラブルに巻き込まれた人が多いのでしょうか?

3. なぜ金融トラブルに巻き込まれた人が多い?

今回調査された項目の中からいくつかピックアップし、3県と全国平均を比較してみました。

項目 全国平均 高知県 佐賀県 沖縄県
緊急時に備えた資金を確保している人 54.4% 47.5% 52.8% 45.2%
1か月の支出を把握している人 72.6% 75.2% 67.3% 74.4%
老後の生活費について資金計画をたてている人 34.9% 36.4% 29.9% 28.6%
消費者ローンを利用している人 4.8% 8.5% 10.7% 8.9%
商品性を理解せずに投資信託を購入した人 31.3% 40.0% 37.5% 27.8%
商品性を理解せずに外貨預金等を購入した人 26.0% 30.4% 42.1% 22.5%
金融トラブル発生時の相談窓口を認識している人 72.2% 68.1% 66.0% 66.7%
学校等で金融教育を受けた人 7.2% 4.3% 5.7% 7.4%

参照:金融リテラシー調査 2019年

全国平均に比べ、特に消費者ローンを利用している人の割合が高いことがわかります。

さらによくわからないけど、投資信託や外貨預金を買ってしまった人も多いです。これは、仲のいい友達や近所の人から進められて買ったという人が多いからではないでしょうか?

地域の人と繋がりが深い地方だからこそ、誰々さんが言っているから大丈夫だ!と安易に購入してしまいがちになるのだと思います。

もちろん進めた方に悪意がないと思いますが、各ご家庭によってどの商品が良いのかは経済状況も踏まえて考えなくてはいけません。

また、金融トラブルが起きてしまった時にどこへ相談すれば良いのかわからない人が多いというのも大きな要因だと思います。

どこに相談すべきか知っていれば、何かあっても適切に対処できれば最小限の被害で済みます。

4. 最低限身につけたい金融リテラシー

トラブルに巻き込まれないためにも金融リテラシーを…と言いますが、具体的にはどのような知識を身につければいいのでしょうか?

日本では「金融に関する知識を教育する」という環境は他国に比べて整っていないと言えるでしょう。

アメリカでは金融教育を学校で受けたと答えた人が21%(2015年)もいるのに対し、日本ではたった7.2%です。

今後改善されていくのかもしれませんが、現段階では自分たちでちゃんとした知識を付けていく必要があります。

金融庁は最低限身につけたい金融リテラシーについて4つの分野に分けています。

4-1. 家計管理

一番身近で一番大切なところではないでしょうか?

適切に収支を管理して、赤字を解消・黒字を確保することも習慣化させなければいけません。

無駄な支出がないか、契約している電気代のプランは適切かなど毎月の収支を見直して、適切に運用することが大事です。

4-2. 生活設計

こちらも大切です。自分たちの老後のこと、子供がいればどれほど将来お金がかかるのかなどライフプランを明確化し、それを踏まえてお金を確保していかなければなりません。

今、生活している分には困らないかもしれませんが、先々必要になる金額をしっかり把握して、早めに準備していきましょう。

4-3. 金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択

こちらはさらに細かい項目に分けていきます。

【金融取引の基本としての素養】

  1. 契約にかかる基本的な姿勢の習慣化
  2. 情報の入手先や契約の相手方である業者が信頼できる者であるかどうかの確認の習慣化
  3. インターネット取引は利便性が高い一方、対面取引の場合とは異なる注意点があることの理解

簡単に言うと、その情報が本当に正しいのか疑いなさいということです。

契約書などもしっかり目を通して、おかしな部分がないかちゃんとチェックし、相手側が本当に信頼できる人なのかを見極めなければいけません。

インターネットは非常に便利ですが、詐欺サイトであったり、間違った情報である場合があります。どれが正しいのか、詐欺に合わないためにも常に意識する必要があります。

【金融分野共通】

  1. 金融経済教育において基礎となる重要な事項( 金利、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等) や金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択についての理解
  2. 取引の実質的なコスト(価格)について把握することの重要性の理解

色々難しい言葉が出てきていますが、どれも投資信託や外貨預金などを購入する際には知っておかなければならない情報です。

また、だいたいどれくらいのコストがかかるのかを知っておくことは、将来のことを考えるという意味でも、適正な価格で販売されているのかを判断するという意味でも大切です。

【保険商品】

  1. 自分にとって保険でカバーすべき事象(死亡・疾病・火災等)が何かの理解
  2. カバーすべき事象発現時の経済的保障の必要額の理解

何かあった時のために必要な保険。ですが何でもかんでも入ればいいということではありません。

自分にとって必要な保険は何かを考え、自分の収入で家計を圧迫しない金額でカバーできるように商品を選びましょう。

【ローン・クレジット】

  1. 住宅ローンを組む際の留意点の理解
    ①無理のない借入限度額の設定、返済計画を立てることの重要性
    ②返済を困難とする諸事情の発生への備えの重要性
  2. 無計画・無謀なカードローン等やクレジットカードの利用を行わないことの習慣化

これは言わずもがな、かもしれませんね。ローンもクレジットカードもいずれ自分のお金で支払わなければいけないものです。

返済に追われて生活ができないということになっては意味がありません。

ローンやクレジットカードが悪いということではないですが、しっかりと計画性をもって利用しましょう。

【資産形成商品】

  1. 人によってリスク許容度は異なるが、仮により高いリターンを得ようとする場合には、より高いリスクを伴うことの理解
  2. 資産形成における分散(運用資産の分散・投資時期の分散)の効果の理解
  3. 資産形成における長期運用の効果の理解

資産運用に関してですね。資産運用がギャンブルのようになってはいけません。

しっかりとしくみを理解し、長期的に安定して資産を形成するように知識を深めましょう。

4-4. 外部の知見の適切な活用

これも非常に大切なことです。金融経済は刻々と変化していきます。

必ず金融商品を利用する時、外部の知見を適切に利用する必要性があるということも理解しておかなければなりません。

5. まとめ

金融トラブルに巻き込まれないためには、しっかりとした金融リテラシーを身につけることが大切です。

これは自分自身を守るだけではなく、周りの人や大切な家族を守ることに繋がります。

また、金融リテラシーを身につければ、生活をより豊かにしていくこともできます。

みなさんもしっかり正しい知識を身につけて、不要なトラブルに巻き込まれないようにしましょう。

参照:最低限身に付けるべき金融リテラシーについて