会社員にオススメ節税対策6選
老後2000万円必要なんて話もあり、ひと昔よりもお金について学ぶ方が多くなりました。
投資に興味を持っている方や、実際に副業など自身の収入を増やすことを始めている方もいます。
フリーランスになるのはハードルが高いけれど、会社員を続けながら副業を続けたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
そこで気になるのが節税について。
会社員でも活用できる節税には何があるのでしょうか?
今回は、会社員にオススメできる節税対策について6つ紹介していきます。
うまく活用すれば、約1800万円の節税も可能となるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.節税対策の必要性
一般的に、サラリーマン男性の生涯賃金は、平均で約2.5億円と言われています。
このうち、どれだけの税金を払うことになるかご存じでしょうか?
- 所得税・住民税で約2000万円
- 社会保険料で約3500万円
生涯賃金のうち約20%以上が、税金や社会保険料であり、週5日のうち1日は国のために働いているということになるのです。
節税の仕組みを知り上手く活用していくことによって得られるメリットはとても大きいので、ぜひチャレンジしてみましょう。
2.会社員でもできるオススメの節税対策6選
①青色申告
副業を始めて一定の条件を満たすと、65万円の所得控除が受けられます。
条件には次のようなものがあります。
- 事業所得もしくは不動産所得があること
- 事業にかかる取引を簿記によって記録すること
- 決算書を確定申告書に添付して申告すること
なんだか面倒だなと感じた方も多いと思いますが、それを乗り越える価値のある最強に効果的な節税なのです。
【節税例】
上記の条件を満たし、現在の住居(家賃10万円)のうち全体の2割を事業用として使用。家賃の他に光熱費、通信費、書籍代など合計35万円の経費を計上したとします。
65万円の青色申告特別控除、家賃10万円のうち2割の2万円が事業経費として認められ、結果100万円(青色申告特別控除65万円+経費35万円)×20%(※)=年間20万円の節税になります。
※税率は「所得税率10%+住民税率10%」と想定
会社員の間副業を続けていれば、年20万円×40年=800万円の節税となります。
青色申告をするには、そもそも副業を始めるハードルや税務署への必要提出書類、事業規模でないと青色申告特別控除が認められない点などの注意点をよく理解しておきましょう。
②ふるさと納税
自身の故郷や、応援したい地方自治体に寄付ができる制度です。
ふるさと納税には、次の2つのメリットがあります。
- 実質負担金が2000円で豪華な返礼品がもらえる
- 手軽・簡単・誰でもできる
【節税例:総額7.3万円を寄付した場合】
7.3万円×30%=約2.2万円相当の米や肉、果物などの返礼品がもらえ、実質負担金は2000円なので、毎年2万円がお得になります。
これを20年間続けると、約80万円分の経済的なメリットがあるのです。
ただし、ふるさと納税で寄付できる上限額は年収によって変わるので、利用の際にはシミュレーションサイトで事前に確認しておくと良いでしょう。
ふるさと納税について詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
③つみたてNISA
年間40万円×20年の積み立て投資が可能です。
つみたてNISAには、次の2つのメリットがあります。
- 運用益が非課税
- iDeCoとは違い引き出しはいつでも可能
【節税例】
年40万円を年利5%で20年運用した場合、106万円になります。
本来は、運用益の66万円に対して税金20%が掛かりますが、非課税となるので年間13万円の節税。
これを20回繰り返したとすると、13万円×20回=260万円の節税となります。
しかし、運用によってはマイナスになってしまうこともあり、リスクも理解した上で利用する必要があります。
つみたてNISAについて、さらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
④iDeCo
将来の老後資金を備えるための制度です。
投資信託に投資をして資産運用ができ、企業年金がない会社員の場合には、最大月23000円の積み立てが可能です。
iDeCoには、次の2つの節税メリットがあります。
- 掛け金が所得控除になる
- 資産運用で得た利益が非課税
【節税例:30歳でiDeCoの加入した場合】
月23000円×12か月×30年(60歳まで)の、総額約830万円を年利5%で運用したとすると、60歳の時点で約1830万円まで増えます。
運用益1000万円に対する税金20%が非課税なので、200万円の節税になります。
さらに掛け金は所得控除となるので、節税効果はとても高いのです。
しかし、iDeCoは60歳まで受け取れないなどの縛りがあり、計画的に利用する必要があります。
iDeCoの仕組みや注意点など詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
⑤住宅ローン控除
10年間にわたって、住宅ローン残高×1%分だけ税金が安くなります。
節税の上限額は、住宅ローン残高4000万円×1%で年間40万円節税となり、10年間で最大400万円の節税効果があります。
平均年収の会社員の場合、これだけで所得税がほとんどゼロになります。
最大効率で節税するためには、10年後に住宅ローン残高が4000万円になるように銀行から低金利でお金を借り、10年後も資産性のある家を購入する必要があります。
現在変動金利0.5%未満で借りられるところもあり、1%の住宅ローン控除を受けることができれば、支払い利息よりも節税額の方が大きくなるのです。
【節税例】
- 支払い利息:4000万円×借入金利0.5%=20万円
- 節税額:4000万円×住宅ローン控除1%=40万円
ローンを払っているのに、利息を払うどころか、むしろお金をもらっている状態です。
ただし、不動産投資という認識を持ち、売るときの値段が高い家を購入した場合に、住宅ローン控除は効果的になります。
資産価値の低い家を購入して節税していても、損が出てしまうのなら意味がありません。
⑥保険料控除
次の3種類の保険に加入すると、支払った保険料に応じて税金が安くなります。
- 生命保険
- 介護医療保険
- 個人年金保険
支払っている保険料によって節税額が変わり、その計算方法は少し複雑なので、ここで最大効率で節税できる例をご紹介します。
【節税例:平均年収のサラリーマンの場合】
- 生命保険料・・・年間8万円
- 介護医療保険料・・・年間8万円
- 個人年金保険・・・年間8万円
以上の条件の場合、年間1.9万円の節税となり、40年で約80万円の節税になります。
しかし、これでは無駄な保険料を払いながら節税していることになり、意味がありません。
節税ありきの考え方ではなく、本当に必要な最低限の保険に入り、結果節税になるのが本当の節税です。
3.まとめ
会社員にオススメできる節税対策について解説してきました。
【生涯払う予定の税金】
- 所得税・住民税で約2000万円
- 社会保険料で約3500万円
一般的なサラリーマンの平均生涯賃金のうち20%は税金を払うことになり、節税対策の必要性は高いと言えます。
【会社員にオススメの節税方法】
- 青色申告
- ふるさと納税
- つみたてNISA
- iDeCo
- 住宅ローン控除
- 保険料控除
中でも、最も節税効果が高いのが青色申告。副業を始めるハードルや申告の面倒さはあるものの、活用できれば人生をも変え得る節税効果が期待できます。
どれも将来の老後生活の不安を解消するには、とても効果的な方法ばかりなので、ぜひトライしてみると良いでしょう。