【作るが正解!】マイナンバーカードとは?

社会保障

シロウサギの妖精のマイナちゃんをご存知ですか?
全国を行脚して、マイナンバーのPR活動を行っているそうですが、認知度はいかほどでしょうか。
因みに、目や耳が「1」なのは、マイナンバーが「1人に1つ」であること、手に「1」を持つことで、マイナンバーを大切にしていただきたいという願いがこめられているそうです。
マイナちゃんはお忙しいので、今回はマイナおじさんと一緒に、マイナンバーカードについて、詳しく勉強してみましょう。

 

1.マイナンバー/マイナンバーカードについて

平成28年1月から、マイナンバーカードの交付が開始されています。

マイナンバー(カード)とはどういうものでしょうか。

 

○マイナンバー(個人番号)

マイナンバーとは、日本に住民票を有するすべての人(外国人の方も含まれます)が持つ12桁の番号です。

全住民1人に一つ、本人の意思にかかわらず、強制的に付番・利用され、原則として生涯同じ番号を使います。

既に交付されている「通知カード」は、マイナンバーを確認するための書類です。

 

○ マイナンバーカード(個人番号カード)

マイナンバーカードは、住民の申請により初回無料で交付されるプラスチック製のカードです。

マイナンバーカードの取得は義務ではありません。

カードの表面には本人の顔写真と氏名、住所、生年月日、性別が記載されていて、本人確認のための身分証明書として利用できます。

カードの裏面にはマイナンバーが記載されているので、税・社会保障・災害対策の法令で定められた手続きを行う際の番号確認に利用できます。

ICチップ内アプリは、自治体サービス、e-Tax等の電子証明書を利用した電子申請他、様々なサービスに利用できます。

 

2.マイナンバー制の必要性について

マイナンバーという社会保障・税番号制度は、
~もっと便利に暮らしやすく~の目的で行われます。

社会保障、税、災害対策の3分野で、複数の機関に存在する個人の情報確認に活用される」とはどういうことでしょうか。

例えば、「Aさんが社会保険料の減免の対象かどうかを確認する」というタスクに対して、これまでは複雑な情報のやりとりをしなければなりませんでした。

住民票コード、基礎年金番号、健康保険被保険者などの管理が統一されていなかったため、国の行政機関や地方公共団体の間で、機関をまたいでの個人情報の照会に時間と労力を要していたというのです。

 “お役所では何かと待たされる“、“手続きの度に提出書類が多すぎる”という印象があるのも、こうした事情からでした。

そこで、さきほどの社会保障、税、災害対策の3分野について、共通の番号を導入することで、「個人の特定を確実かつ迅速に行えるように整備します」というのがマイナンバー制度です。

「そもそも、なぜそんな制度だったのか」は深追いしないことにして・・・

社会保障、税、災害の手続きが簡略化されることは、行政側も我々国民にとっても歓迎すべきことです。

2018年10月現在で便利になった行政手続は1221あるそうです。

マイナンバー制度の導入後は、社会保障・税・災害対策における各種手続において、身元(実存)確認とともに、個人番号の記載・確認を求められることになります。

この際、マイナンバーカードがあれば、1枚で番号確認と身元確認を行うことができます。

さらに、行政の支援政策上、従来は書類だけで判断するのが難しかったケースの判断が容易になり、必要な人に必要な支援を行うことができるようになる、というメリットもあります。

 

3.マイナンバーカードができること

次に、マイナンバーカードの利用範囲について見ていきます。

①マイナンバーを証明する書類として 

法律に基づき、社会保障や税の行政事務に利用するため、勤務先や金融機関等からマイナンバーの提供を求められることがあります。

そうした様々な場面で、マイナンバー(個人番号)証明する書類として利用できます。

②本人確認の際の公的な身分証明書として 

マイナンバーカードは、マイナンバーの提示と本人確認が同時に必要な場面では、これ1枚で済む唯一のカードです。

カードを取得していないと、マイナンバー確認と身元確認ができる書類(「通知カード+身元確認書類」や「個人番号の記載された住民票の写しなど+身元確認書類など」)といった複数の書類が必要になります。

③付加サービスを搭載した多目的カードとして 

国家公務員身分証、健康保険証、ポイントカード、社員証など様々な用途で利用できます。

令和6年度を目処に、マイナンバーカード海外利用を目指しています(在外選挙におけるインターネット投票の実現)。

今後さらに、AIなど先端技術の活用を実現していく予定です。

 

<健康保険証について>

~病院・歯科医院・薬局で利用可能~(厚生労働省)

一部の医療機関・薬局でマイナンバーカード健康保険証としての利用が始まりした。

本格運用は今秋以降になる見込みです。

今後、マイナンバーカード健康保険証利用に対応する医療機関は、「マイナ受付」のポスターやステッカーを掲示する予定です。

マイナンバーカード健康保険証は、顔認証付きカードリーダー受付が自動化されます。

受付で対面することなく、顔認証(もしくは暗証番号入力)で、本人確認と保険資格の確認が一度に実施できるようになります。

また、過去の薬や特定健診等のデータが自動連携、窓口での限度額を超える医療費の一時支払い不要などのメリットがあります。

健康保険証として利用する場合でも、特定健診情報や薬剤情報などがICチップに入ることはありません。

マイナンバーカード健康保険証利用対応の医療機関・薬局については、厚生労働省の「マイナンバーカードの健康保険証利用対応の医療機関・薬局についてのお知らせ」で詳細をご確認ください。

④コンビニなどで行政上の各種証明書を取得 

コンビニエンスストア等に設置された証明書発行用の端末操作時にカード利用(利用者証明)することで、各種証明書の取得ができます。

大手コンビニ3社含む全国約53,000店舗で、夜間・休日問わず利用可能です。

 

<現在、コンビニで取得可能な証明書>

□住民票の写し □印鑑登録証明書 □住民票記載事項証明書

□各種税証明書 □戸籍証明書 □戸籍の附票の写し

※お住まいの市区町村によりサービスの内容が異なります。

⑤各種行政手続きのオンライン申請 

マイナポータル(政府が運営するオンラインサービス)ログイン時の本人確認で利用者証明ができます。

マイナポータル内で、子育てや介護をはじめとする、行政手続の検索やオンライン申請がワンストップで行えたり、行政機関からのお知らせを受け取ることができます。

e-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用登録時及び申告書データ作成時にマイナンバーカードによる電子署名が可能です。

税務署に出向かず、自宅等のパソコンから申告書を送信することができるので、添付書類の省略や自動計算機能等の利用ができます。

⑥各種民間のオンライン取引 

オンラインバンキング民間オンライン取引などで利用できます。

<現在マイナンバーカードで利用できるサービス>

○国家公務員(平成28年4月)、徳島県庁(平成29年6月)で職員証として利用

○民間企業の社員証として利用(TKC、NEC、NTTcom、内田洋行が活用)

○ GMOグローバル証券の新規証券口座開設
 オンラインでの新規証券口座開設口座開設に必要な本人確認時にカード利用(電子署名)

○三菱東京UFJ銀行住宅ローン契約手続
 オンラインでの住宅ローン契約締結時にカード利用(電子署名)

○エスクロー・エージェント・ジャパンオンラインでの不動産取引
 不動産取引に必要な本人確認時にカード利用(電子署名)

○ NTTコミュニケーションズの携帯電話(格安スマホ)
 購入に必要な本人確認時にカード利用(電子署名)

 

「電子証明書」

マイナンバーカードに搭載された電子証明書とはどんなものでしょう。

電子証明書を利用できる場面は、今後どんどん拡大する見込みです。

電子証明書には、署名用の電子証明書」「利用者証明用の電子証明書の2種類あります。

①署名用の電子証明書

インターネット等で電子文書を作成・送信する際に利用します。

電子申請(e-Tax等)や民間オンライン取引(オンラインバンキング等)の登録などで、

「作成・送信した電子文書が、あなたが作成した真正なものであり、あなたが送信したものであること」

を証明することができます。

②利用者証明用の電子証明書

行政のサイト(マイナポータル等)へのログイン、民間のサイト(オンラインバンキング等)へのログイン、コンビニ交付サービス利用などで、

「ログイン等した者が、あなたであること」

を証明することができます。

 

4.セキュリティーについて

マイナンバーカードにはどのようなセキュリティー対策がなされているのかみていきましょう。

マイナンバー制度の安全な利用のために、制度面とシステム面の両方から個人情報を保護するための厳格な安全対策が講じられています。

制度面の保護措置として、個人情報を収集・保管の禁止、個人情報保護委員会による監視・監督、法律違反に対する厳罰化などを定めています。

システム面の保護措置としては、個人情報の分散管理を継続、行政機関の間で情報のやりとりには、専用の符号を用いる、システムにアクセスできる人員制限と通信の暗号化を行っています。

◆マイナンバーカードのセキュリティー

      • セキュリティの国際標準の認証を取得
        ICカードのセキュリティの国際標準である「ISO/IEC15408認証を取得しています。
      • 券面の偽造防止
        文字をレーザーにより彫りこむとともに、複雑な彩紋パターンを施す等により、券面の偽造を困難にしています。
        カードをコピーすると隠れた文字が浮かび上がる、顔写真部分に加工をして貼り替えを困難にするなどといった対策がされています。
        また、紛失したとしても、顔写真付のため、第三者が容易になりすましたり、悪用できないようになっています。
      • ICチップの安全性
        マイナンバーカード(ICチップ)に記録されるのは、住所、氏名等の情報のみで、税や年金、預金残高などプライバシー性の高い個人情報は入っていません。
        持ち歩いたり、マイナンバーを見られても個人情報を盗まれることはありません。
      • 暗証番号
        ICチップに搭載された各機能を使う場合は、アプリ毎に暗証番号の入力が必要です。
        暗証番号の入力を一定回数間違えるとロックされるようになっています。
      • 耐タンパー性
        タンパーは、「勝手にいじる」、「改ざんする」といった意味です。
        ICチップの内容を不正に読み取ろうとすると、自動的に内容が消去されるなどの対抗措置が備えられています。

◆マイナンバーカードを紛失したとき


マイナンバーカードを紛失したときは、なりすまし利用を防止のために、カードの一時利用停止の手続をする必要があります。

以下のコールセンターに電話をすることで手続ができます。

マイナンバー総合フリーダイヤル

0120-95-0178(無料)

受付時間一時利用停止の手続に限り、24時間365日受付

 

マイナンバーカードコールセンター

0570-783-578(有料)

受付時間一時利用停止の手続に限り、24時間365日受付

◆マイナンバーカードQ&A

マイナンバーを見られても、個人情報を盗まれることはありません。

暗証番号だけを知っていても、個人情報を盗まれることはありません。

マイナンバーカードは、マイナンバーカードそのものと暗証番号がそろわないと利用できません。

マイナンバー制度は、国が新たな個人情報を把握したり、これまで以上に個人情報を集約したりするものではありません。

あくまで、これまで行政機関が持っていた個人情報について、社会保障・税・災害対策の分野に限定したうえで、
スムーズかつ公平に手続きを行うために、マイナンバーを活用するものです。

 

5.マイナンバーカードの取得方法

マイナンバーカードは、「通知カード」(令和2年5月25日以降は「個人番号通知書」に変更)と交換で交付されます。

なお、住基カード(住民基本台帳カード)をお持ちの場合は、通知カード住基カードの2枚と交換で交付されます。

マイナンバーカードの交付申請から市区町村が交付通知書を発送するまで、概ね1か月間かかります。

令和2年5月25日以前 令和2年5月25日以降
通知カード 表

通知カード 裏

個人番号カード交付申請書

個人番号通知書

個人番号カード交付申請書

 

通知カード」(令和2年5月25日以降は「個人番号通知書」)と同時に送付される「個人番号カード交付申請書」がマイナンバーカードの交付を申請するための書類です。

①<郵便による申請>

個人番号カード交付申請書の申請書氏名欄にお名前を記入し、顔写真を貼り付けます。

交付申請書の内容に間違いがないか確認し、送付用封筒に入れて、郵便ポストに投函します。

申請は、スマートフォンやパソコンからのオンライン申請も可能です。

 

 

②<スマートフォンによる申請>

スマートフォンのカメラで顔写真を撮影します。

交付申請書のQRコードを読み込み申請用WEBサイトにアクセスします。

画面にしたがって必要事項を入力の上、顔写真を添付し送信します。

 

 

③<パソコンによる申請>

デジタルカメラで顔写真を撮影し、パソコンに保存します。

交付申請用のWEBサイトにアクセスします。

画面にしたがって必要事項を入力し、顔写真を添付して送信します。

 

 

④<まちなかの証明写真機からの申請>

タッチパネルから「個人番号カード申請」を選択し、撮影用のお金を入れて、交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざします。

画面の案内にしたがって、必要事項を入力し、顔写真を撮影して送信します。

 

 

6.マイナンバーカード普及のために

マイナポイントキャンペーンを展開するなどして、マイナンバーカードの普及に必死になっている政府ですが、2021年4月1日現在、マイナンバーカードの全国交付枚数率は28.3%と発表されています。
(出典:総務省マイナンバー制度とマイナンバーカード

マイナポイントについては、こちらで詳しく解説しています。

 

国は、マイナンバーカードの普及を前提として、政府システムの構築を行っていることから、普及が進まないと困るわけです。

国民の理解を得て普及を促進させたい考えですが、なかなか進みません。

コロナ時代を背景とした政府への信頼性と比例して、普及率も上昇するのかもしれません。

セキュリティー面での安心感、手続きのさらなる簡略化、必要性の徹底告知などが求められます。

コスパの悪さが指摘されたマイナポイントより、マイナンバー減税を歓迎する声もあります。

こちらでマイナンバーカードについての理解を深め、マイナンバーカードの申請にお役に立てください。

 

 

参考: