【知らずに始めるな!】仮想通貨の基礎知識
最近よく耳にするようになった仮想通貨。投資対象として興味を持っている方も多いのではないでしょうか?
たった1日で大きくプラスになることも珍しくなく、短期的に資産を増やすにはもってこいの投資にも見えますよね。
今回は、「仮想通貨は投資対象としてアリなの?」「そもそも仮想通貨ってどういう仕組み?」と疑問を持っている方に向けて解説していきます。
目次
1.仮想通貨とは何か?
仮想通貨とは、暗号資産とも呼ばれる電子データのみでやり取りされる通貨のことを言います。
仮想通貨というと有名なのがビットコイン。2017年に起こった仮想通貨バブルが記憶に新しいという方も多いのではないでしょうか?
年初に1ビットコイン=約10.9万円だったのが、年末には1ビットコイン=約230万円と、たった1年で21倍という暴騰をしました。
これを機に、多くの個人投資家が仮想通貨に目を付けましたが、その後1ビットコイン=約36万円まで暴落。結果、仮想通貨を買っていた人の多くが損をするという結末を迎えました。
普通、バブルの崩壊をした後すぐに元には戻らないものです。しかし、仮想通貨は奇跡の復活を遂げています。
テレビやSNSなどで取り上げられたり、コロナによって通貨が大量に擦られていることによるインフレの懸念が理由とも言われています。
値崩れの心配が少ない仮想通貨に目を付けている方が多くなっているのかもしれませんね。
2.仮想通貨の仕組みと特徴
仮想通貨は、主に3つの技術的な要素によって構成されています。
- 公開鍵暗号方式・・・第三者によるなりすましの防止
- ブロックチェーン・・・当事者による二重支払いの防止
- マイニング・・・ブロックチェーンの運営に関わるマイナー(採掘者)に報酬を提供
このような仕組みによって、インターネット上での取引を可能にしています。
仮想通貨は、3000種類を超えていますが、日本で購入できるのは13種類のみです。
- ビットコイン
- イーセリアム(ETH)
- リップル(XRP)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- モナコイン(MONA)
- ネム(MEM)
- ファクトム(FCT)
- リスク(LSK)
- ステラルーメン(XLM)
- クアンタム(QTUM)
- ベーシックアテンショントークン(BAT)
さらに詳しく特徴を見ていきましょう。
①通貨の価値を保証する管理者がいない
法定通貨との違いは、管理するための中央銀行のような立ち位置の組織が存在しないこと。
主に、Peer to peer(ピア・トゥー・ピア)と呼ばれる方式で、ユーザー同士で情報の管理を行っています。
②発行枚数の上限がある
ビットコインでは、発行枚数の上限が2100万枚と決められています。
仮想通貨は、政府が自由に数を増やすことができないので、値崩れせずに価値を保つことができます。
③投資対象になる
ビットコインでは、現在の時価総額が約30兆円位。
金額的にも一定のマーケットを形成しており、その存在は大きくなっています。
世界中の機関投資家も、仮想通貨を投資対象として見ている方が多いと言われています。
3.仮想通貨のメリット
①法定通貨への換金が可能
仮想通貨は法定通貨ではありませんが、仮想通貨取引所で法定通貨と仮想通貨を交換することも可能です。
②決済利用や送金ができる
仮想通貨は、銀行を経由せずに個人同士で自由に送金をすることが可能です。
さらに、管理者がいないことによって、送金の際の手数料が格安、もしくは無料であることが多いです。
決済がスピーディーにできるのも大きいメリットですね。
4.仮想通貨のデメリット
ここまでで、「仮想通貨って未来あるのかも!」と感じた方も多いはず。
しかし、仮想通貨には多くのデメリットが存在しています。
①トラブルに対応できる法律が未成熟
株や債券といった金融商品であれば、金融商品取引法や出資法などの規制によって、安心して購入することができます。
しかし、仮想通貨はまだ歴史が浅いため、法整備や規制が追い付いていません。
たとえ、インチキな行為にあったとしても自己責任となる場合が多いのです。
②詐欺が横行している
ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)の中には、詐欺に使われるものも多く存在しています。
「仮想通貨」や「暗号資産」などといった名前を付けることによって安心させ、詐欺の罠へとハメようとしているものも多いのです。
③ハッキングのリスク
仮想通貨には、第三者に自身の仮想通貨を盗まれるリスクがあり、これまでも仮想通貨のハッキング事件は多発しています。
2018年1月に日本の仮想通貨取引所である『Coincheck』で、580億円相当のNEMが流出した事件は有名ですよね。
この他にも世界中で、数千万円~数百億円レベルの被害が多発しているのです。
④手数料が高い
仮想通貨の運用に掛かる手数料は、他の金融商品と比べると高いです。
多くの金融商品は、資産運用に掛かるコストを安く抑えることが可能です。
- 購入手数料が無料
- 信託報酬(運用管理手数料)が安い
- 入出金手数料が(証券会社によって)無料
一方で、仮想通貨取引の場合、様々な手数料が掛かります。
- 日本円の入出金手数料
- 取引手数料
- レバレッジやロスカット手数料
- 仮想通貨の出庫手数料
取引を繰り返すごとに手数料が掛かるので、資産がどんどん目減りしてしまいますね。
⑤税金コストが高い
仮想通貨で得た利益は、雑所得扱いとなるので、利益が出れば出るほど税率が高くなります。
1億円の利益が出た場合の税金を例に見てみましょう。
- 株式の場合・・・2000万円
- 仮想通貨の場合・・・5000万円
このように、せっかく大きな利益を得たとしても、半分は税金で取られてしまうのです。
さらには、仮想通貨取引で出した損失は、来年以降に繰り越すことができないので、次の年に利益が出ても、まるまる税金が掛かります。
株式取引に掛かる税金のコストと比較すると、天と地ほどの差です。
⑥値動きが激しい
仮想通貨は、値動き(ボラティリティ)が非常に高いです。
例えば、1年で20倍になったり、10分の1になったりなどの値動きをすることがあるのです。
短期で大きな利益を得たいと考えるのであれば、インデックスファンドや高配当株を買っていては不可能なので、アリなのかもしれませんが、ギャンブルですね。
5.仮想通貨の投資の始め方
仮想通貨のメリットもデメリットもよく理解した上で、投資をしてみたいと考えている方に、仮想通貨投資の始め方をご紹介します。
仮想通貨を実際に始めるには、仮想通貨取引所で法定通貨と交換の上、仮想通貨を購入する必要があります。
まずは、仮想通貨取引所に口座開設をしましょう。
- 仮想通貨取引所へ登録
- 本人確認書類の提出
- SMS認証をする
- 二段階認証を設定
- 仮想通貨取引所へ入金する
- 仮想通貨を選択し購入する
口座開設までは、スマートフォンのみの手続きでできるものが多く、最短1日で開設することも可能です。
6.まとめ
仮想通貨とは、電子データのみでやり取りされる通貨のことを言います。
近年では、1つのマーケットとして大きな存在感を出しており、投資対象としても注目を集めています。
【仮想通貨のメリット】
- 法定通貨への換金ができる
- 送金手数料が安い
- 決済が早い
【仮想通貨のデメリット】
- 法律が未成熟
- 詐欺が多い
- ハッキングリスク
- 運用コストが高い
- 利益に対する税率が高い
- 値動きが激しすぎる
管理者がいないことや、発行枚数の上限があることなどから、法定通貨よりも利用上のメリットが多く感じられますが、投資としてはリスクが大きく、ギャンブル商品と言えそうです。
ポートフォリオに仮想通貨は特段必要とは言い難いですが、短期的に大きな利益を得たい場合には、1つの手かもしれません。