障害年金について
「病気やケガで働けなくなったらどうしたらいいんだろう」なんて漠然と考えたことありませんか?
障害状態になった場合、障害年金という制度を受けることができますが、どのような状態であれば受けられるのかなど、知らないという方はきっと多いでしょう。
今回は、障害年金の種類や受給条件、受給額など解説していきます。
目次
1.障害年金とは?
年金というと、老後にもらうものを想像する方が多いかもしれませんが、次の3種類があります。
- 老齢年金:高齢になって働けなくなった時
- 遺族年金:家族の働き手が亡くなった時
- 障害年金:病気やケガで働けなくなった時
今回解説するのは、3つ目の障害年金について。
障害年金とは、病気やケガによって生活や仕事が制限されるようになってしまった場合に、受給できる年金のことを言います。
2.障害年金の種類
障害年金の中にも、いくつかの種類があり、加入している年金や病状によって、受給内容が異なっています。
①障害等級
障害年金には、病状によって以下のように障害等級が決められています。
1級(症状が重い) | 日常生活を送るのに、常にサポートが必要な状態 (活動範囲がほぼ寝室) |
2級 | 日常生活にサポートが必要なことがある状態 (活動範囲がほぼ家の中) |
3級(症状が軽い) | 日常生活は遅れるが、働くことに支障があり、できる仕事が限られている状態 |
1級2級の場合は、日常生活が制限される状態で、3級は日常生活は送れますが労働が制限される状態となります。
②障害基礎年金と障害厚生年金
国民年金に加入している場合
自営業やフリーランスの方が加入している国民年金の場合は、障害基礎年金を受け取ることができます。
厚生年金に加入している場合
会社員の方が加入している厚生年金の場合は、障害基礎年金にプラスして障害厚生年金を受け取ることができます。
3.障害年金の受給金額
障害基礎年金
1級 | 2級 | 3級 | |
障害基礎年金 | 974,125円 +子の加算 |
779,300円 +子の加算 |
なし |
障害基礎年金の場合は、3級はありません。
子の加算とは、子供がいる場合に加算されるお金のことです。
- 1人目、2人目・・・1人につき約22万円
- 3人目以降・・・約7万5千円
障害厚生年金
1級 | 2級 | 3級 | |
障害厚生年金 | 報酬比例×1.25 +配偶者加給年金 |
報酬比例 +配偶者加給年金 |
報酬比例 |
障害厚生年金の場合は、年収によって受給額が変わります。
配偶者加給年金とは、65歳未満の配偶者がいる場合に受給できるお金で、約22万円が加算されます。
障害厚生年金の受給例
- 35歳会社員(妻と子1人)
- 今までの平均年収350万円
- 障害等級1級認定
【障害厚生年金】約51万円+約22万円(妻の加算)
【障害基礎年金】約98万円+約22万円(子の加算)
【合計】年額:約190万円 月額:約16万円
4.障害年金の受給条件
障害年金を受給するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 「初診日」を証明できること
- 「初診日」に年金に加入していること
- 年金加入期間の3分の2以上の保険料を納めていること
- 障害認定日(初診日から1年半経った日)に障害状態であること
障害認定日とは、初診日から1年6か月経過した日に障害の状態にある場合、その日が障害認定日となります。
原則、1年6か月経っても働けない場合に受給できるということです。
「この1年6か月の間は何ももらえないの⁉」と不安になる方もいるかもしれませんが、大丈夫です。
会社員の方であれば、傷病手当金を1年6か月受けることができます。
傷病手当金について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
5.障害年金の申請方法
障害年金の申請方法は、ケースバイケースで、とても複雑です。
自身で申請することもできますが、障害年金は代理申請をすることも可能です。
その場合、社会保険労務士に相談し依頼することになりますが、代理申請する場合は着手金や成果報酬などのお金が必要になるので、よく検討する必要があります。
とはいっても、障害年金の複雑な書類の記入法や申請を通りやすくするコツを熟知しているなど、専門家ならではのメリットも多いです。
自身で行うと申請だけで半年位掛かる場合もあるので、申請する場合は専門家に一度相談してみるのも良いかもしれません。
無料で相談できる場所には、年金事務所や地域の年金相談センターなどがあるので、チェックしてみましょう。
6.まとめ
障害年金について解説してきました。
障害年金とは、病気やケガで生活が制限されてしまった場合に受給できる年金のことを言い、加入している年金や障害等級によって受給できる金額が異なります。
【受給条件】
- 初診日が証明できること
- 初診日に年金に加入していること
- 年金加入期間の3分の2以上の保険料を納付していること
- 障害認定日に障害状態であること
【受給額】
- 会社員:障害基礎年金+障害厚生年金(子がいれば+子の加算)
- 自営業、フリーランス:障害基礎年金のみ(子がいれば+子の加算)
障害年金の申請は、病状などによって異なり、とても複雑です。
自身での申請も可能ですが、申請をスムーズに行いたい場合や、病状によって申請が難しい場合などは、専門家に相談すると良いでしょう。