不動産を借りる時に注意すること
不動産を借りる時、みなさんはどんなことに気を付けていますか?
間取りや家賃、周りの治安や交通量など、希望に近い物件を見つけることだけに集中している方がきっと多いでしょう。
良さそうな物件を見つけても、いざ契約となった時に「思ったより初期費用が掛かるな」と感じたことのある方は、ひょっとするとぼったくりにあっていた可能性がありますよ!
ぼったくりにあわず、希望の部屋を安く借りるためにも、今回は不動産の仕組みや借りる際の注意点について詳しく解説していきます。
目次
1.不動産業界は不正が起こりやすい構造
賃貸物件を借りる際に、私達が直接的に関わるのが仲介業者。
担当者の中には、親切丁寧に色々提案してくれる人もいますが、いかに契約させるかしか考えておらず、客をカモとしてしか見ていない人も多くいるのです。
その理由として考えられるのが、不動産会社と一般の人との間に情報格差があるということです。
情報がオープンでないために、嘘をついたり不正を行いやすい仕組みとなっています。
不動産協会なども相談窓口は設けていますが、協会の役員メンバーがそもそも不動産会社の代表だったりしており、業界の自浄作用にも期待できません。
そのため、消費者自身が知識武装しておく必要があるのです。
2.不動産会社の全体の仕組み
不動産を借りる際にぼったくりに合わないためには、まずは全体の仕組みを知ることが大切です。
賃貸物件を借りる際に関わる人物と役割りについて解説していきます。
入居者 | 家を借りる人。 |
仲介業者 | 物件を仲介し紹介料をもらう会社。 |
管理会社 | 物件の管理をする会社。家賃の振り込み確認や、共用部分の破損等のトラブル時に連絡する所。 |
保証会社 | 入居者の保証人になる会社。入居者が家賃を払えなくなった場合や退去費用を支払わなかった場合に立て替えする。 |
不動産は、会社ごとで扱っている物件が違うと思っている方が多いですが、物件はどこの業者で借りても同じです。
不動産会社専用の物件データベースREINS(レインズ)に、日本のほとんどの賃貸物件の情報が登録されています。
※まれに一社しか取り扱っていない物件(専任物件)もありますが、全体の2~3%程度となっています。
不動産業者はREINS(レインズ)で、ほぼすべての物件情報を共有しているおり、どこの業者でも契約することができるのです。
なので、初期費用が高かったり対応が粗雑な業者は即お断りをして、丁寧な業者を選んで契約するのが、ぼったくりに合わないための鉄則と言えるでしょう。
3.不動産を借りる際の注意点
①業者とのやり取りはメールで証拠を残す
内覧申し込みをする問い合わせ時には、メールでやり取りをし証拠を残しておきましょう。
契約後に条件が違っていたり、退去時に変な請求をされた場合に、言った言わないを避けるためです。
電話連絡をしたがる業者もいますが、契約前のやりとりも「忙しい」などを理由にメールで記録に残しておくことが大切です。
②申し込みを迫られても断る
物件を紹介してもらい、内覧をした時点では申込書は書かないようにしましょう。
物件を見に行った後、大体の場合「仮申し込みなので」や「お金が掛かることはないので」などと言って、一旦申し込みをさせようとしてきます。
ここで申し込みをしてしまうと、管理会社によっては「一度Aの会社から入ったものをBの会社からは入れられない」や「一旦申し込みをしたでしょ?」と、後から強く迫られることもあります。
こうなると、後からぼったくりの会社だとわかったとしても変えにくくなってしまうのです。
対策としては、「家族に相談をしてからが良いので、申込書をもらっていいですか?」と言い、申込書を預かりましょう。
そうすることで、相手がそれ以上突っ込みづらくなります。
尚も強引にくるような不動産屋なら、そこは辞めたほうが良いという判断ができます。
③手付金を払わない
「部屋が抑えられてしまうので」などと言って、手付金を払うことを勧めてくることがあります。
しかし、ここで手付金を入れてしまうと、返してもらうのが少々大変になり、心理的ハードルも上がってしまいます。
実際に手付金を払ってしまい、返金してもらえなかったケースもあるので、絶対に払わないようにしましょう。
もしも本当に埋まってしまった場合は、縁がなかったということです。
④不当な請求は拒否をする
不動産業者側は賃貸契約をする際に、本当は必要がないのに紹介をして売り上げを上げようとすることがよくあります。
不動産屋へ紹介料などが入り、原価の約5倍ほどの値段を請求されていることもあるのです。
ぼったくりに合わないためにも、請求されたら絶対拒否する以下の項目を頭に入れておきましょう。
- 書類作成費:仲介業者が摂って良い手数料は仲介手数料のみ
- 簡易消化器:家主が負担すべきもの
- 害虫駆除費・抗菌・室内消毒:かなり簡易的な物なのに2万円ほど掛かる
- 安心入居サポート:室内の見守りサービスは火災保険で対応できる。設備のための保険なら家主が負担する物
4.ぼったくりに合わないためのポイント
①複数社に相見積もりを取り比較する
良い不動産会社と出会うためには、必ず3社以上に相見積もりを取ることが大切です。
複数社を比較することによって相場を知ることができ、ぼったくりに合うリスクを避けられます。
気を付けたいのが「大手だから安心」という考え方。
大手会社の看板を掲げていても、運営は支店ごとに全く違う会社が行っていることがほとんどで、大手でも親切な会社もあれば不親切な会社もあります。
良い会社選びの参考になるのが、不動産会社のブログやホームページです。
良い会社の場合は、入居費用や物件のアクセスなどの情報を借りる側の立場に立った情報を発信してくれる記事が多い傾向があるので、チェックしてみると良いでしょう。
②仕組みと相場を知って適切に交渉する
不動産を借りる際に、家賃などの交渉をすることで費用を安く抑えることができる場合があります。
下記は、仲介業者や管理会社がぼったくりをしていて、費用を無駄に高く設定している可能性が高い項目です。
相場や対処法を知り、適切に交渉できるようにしましょう。
仲介手数料
前提として覚えておきたいのが、仲介業者は家主からも仲介手数料をもらっているということ。
仲介業者が入居者から取っていいのは、家賃の0.5か月分までと宅建業法46条の報酬で決められています。
しかし、中には1か月分を請求してくる違反した仲介業者もあるのです。
「家主からもらっているのは広告料や情報提供料」などと言う業者は悪徳業者なので、やめましょう。
火災保険
火災保険とは、入居者の過失で家事になったり水没させてしまったときの保険。
問題点は、仲介業者がぼったくりの火災保険に強制加入させることです。
「強制加入になっている」や「保険会社は指定になっている」などと言い、2年間で2万円もするような保険に加入させてきます。
本来は、火災保険会社を選択する自由・プランを選択する自由は入居者にあります。
火災保険には、ネットのみで契約が可能なものもあり、十分な補償内容で年間保険料が4000円~と激安なものもあるので、こちらで指定しましょう。
敷金・礼金
敷金は大家さんへの交渉次第で下げることも可能ですが、礼金に関しては、仲介業者が上乗せしている場合があるので注意が必要です。
対策としては、複数の業者に見積もりを取り、同じ物件でも安く済む業者で契約をするようにしましょう。
ハウスクリーニング
入居時か退去時かに請求されるパターンがあります。
入居時であれば内覧時にキレイならば要らないと言いましょう。
退去時に取られる場合は、交渉して特約を外してもらいましょう。
国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』に、原則クリーニング費用は大家が負担するのが妥当という記載があります。
ただし特約をつけている場合、どれだけ汚したか関係なくクリーニング費用を強制的に払わないといけなくなることがあるので、特約を外してもらうよう交渉しましょう。
中には、入居時と退去時の両方を請求してくることもあり、その場合は他の業者に変えることが賢明です。
鍵交換費用
普通のキーシリンダーなら1~1.5万円程度で交換できますが、3万円位を請求してくる業者がいます。
対策としては、「前の方と同じで良いのでそのままで」と伝えましょう。
契約書に鍵を勝手に交換してはいけないという内容はほぼないので、セキュリティーが心配な方は、その後に自分で鍵屋を呼んで買えるのが1番安く済みます。
退去時の鍵交換代は認められていないので、請求されても基本的には払わなくて良いです。
保証会社加入料
大体家賃の50~80%くらいを払うものですが、こちらも上乗せして請求してくることがあるので注意が必要です。
対処法は、家賃保証会社の負担が掛かれたパンフレットを初期費用の見積書と一緒にもらうことです。
正しい金額が載っているので、業者に対しての牽制になります。
5.まとめ
不動産を借りる際の注意点について解説してきました。
【不動産を借りる際の注意点】
- 業者とのやり取りはメールで証拠を残す
- その場で申し込み書を書かない
- 手付金を払わない
- 不当な請求は断る
【ぼったくられないためのポイント】
- 複数社で相見積もりを取る
- 仕組みと相場を知り適切に交渉をしよう
不動産業界は、情報がクローズになっており不正が起こりやすい仕組みです。
同じ物件でも複数の業者で相見積もりを取ることによって、相場を知ることができ、悪徳業者からのぼったくりを避けることが可能です。
家は人生3大支出の1つ。しっかりと知識を身に付けて自分を守りましょう。